結論:「同時に進める」のがおすすめ。土地だけ先に決めるのは注意が必要
土地を持っていない人の家づくりでよくある迷いが、「土地と住宅会社、どっちを先に決めるか」です。
おすすめは、住宅会社の候補を探しながら、土地探しも並行して進めることです。
理由は、土地と建物はセットで考えないと、予算や間取りがうまく合わないことがあるからです。
土地を先に買うと起こりがちなこと
1. 希望の間取りが入らない
土地の広さや形、建てられる建物の大きさのルールによっては、思っていた家が建てられないことがあります。土地ごとに、敷地面積に対する建築面積の上限(建ぺい率)や、延べ床面積の上限(容積率)が、用途地域などに応じて決められているためです。
2. 建物にかけられる予算が足りなくなる
土地に予算を使いすぎて、建物の予算が足りなくなるケースです。
3. 思わぬ追加費用がかかる
地盤が弱い、道路との高低差がある、水道やガスの引き込みが必要、などで費用が増えることがあります。
住宅会社を先に決めすぎると起こりがちなこと
- 会社が紹介する土地の中からしか選べず、選択肢が狭くなる
- 土地が見つからないまま、時間だけが過ぎる
どちらかだけを先に決めるより、両方を並行して進めるほうがバランスが取りやすくなります。
同時に進めるときの手順
- 総予算を決め、土地と建物にざっくり振り分ける
- 住みたいエリアの候補を2〜3つにしぼる
- 住宅会社に、土地探しも含めて相談する
- 気になる土地が出てきたら、その土地に建てた場合のプランと総額を出してもらう
- 「土地+建物」の総額で比べて決める
土地を見るときに住宅会社に聞きたいこと
- 「この土地に、希望の間取りは入りますか?」
- 「地盤や造成、引き込みで追加費用がかかりそうですか?」
- 「この土地だと、建物にいくら使えますか?」
状況別:先に動くのは、どちら?
- すでに気になる土地がある人:土地を押さえる前に、その土地に希望の家が建つかを、住宅会社に見てもらいます。国土交通省の資料では、敷地は原則として幅4m以上の道路に2m以上接する必要があるとされ、建ぺい率・容積率の上限もあります。購入の申込みの前に、この点を確認してもらうと安心です。
- まだエリアも決まっていない人:先に総予算と、住みたいエリアの候補を決めます。会社選びと並行して、土地の探し方を整理すると進めやすくなります(家を建てる土地の探し方5つ)。
- 実家の土地や、親族から譲り受ける土地がある人:土地探しは不要ですが、建てられる家の条件の確認は同じく必要です。実家の土地に家を建てるときも参考にしてください。
- 住宅会社の候補が決まっている人:その会社が土地探しを手伝ってくれるかを、早めに聞きます。紹介される土地が限られるのか、自分で見つけた土地でも相談できるのかは、会社によって異なります。
土地の「ルール」で、先に押さえたい3点
土地を見る前でも、次の3点は知っておくと、会社への質問が具体的になります。
- 用途地域:国土交通省の資料では、現在13種類あり、建てられる建築物の用途が地域ごとに制限されます。
- 建ぺい率・容積率:容積率は、都市計画で指定された値と、前面道路の幅による値の小さいほうが上限になります。前面道路が12m未満の場合は、幅に係数(住居系の用途地域では40%)をかけて計算します。
- 市街化調整区域かどうか:国土交通省の「開発許可制度について」では、市街化調整区域は市街化を抑制する区域とされ、開発行為は原則として許可の対象になり、建築にも許可が必要になる場合があります。安い土地に見えても、家が建てられるかは、役所への確認が必要です。
詳しい確認項目は、土地を買う前に確認したいことにまとめています。
土地と住宅会社選びでよくある疑問Q&A
Q1. 土地の契約前に、住宅会社が決まっていないといけませんか?
決まっていなければならない、というルールはありません。ただし、土地の契約後に「希望の家が建たない」と分かると、取り返すのが難しくなります。契約前に、プランと総額の見込みを、住宅会社に確認する方法があります。
Q2. 不動産会社と住宅会社、どちらに先に相談しますか?
どちらが先でなければならない、ということはありません。不動産会社は土地の取引の面から、住宅会社は建てられる家の面から、それぞれ説明します。両方の話を聞いて、「土地+建物」の総額で比べるのが基本です。
Q3. 土地の契約前に受ける説明には、どんなものがありますか?
不動産取引では、契約が成立するまでに、宅地建物取引士が重要事項を書面で説明することになっています。また、2020年8月28日から、水害ハザードマップ上で対象物件の所在地を示して説明することが、重要事項説明で義務化されました。分からない点は、その場で質問してください。
Q4. 土地の「申込み」を急かされたら?
人気の土地は、早く決まることがあります。ただし、申込みの意味(取消しの条件)は、会社や書類によって異なります。内容が分からないまま、署名や押印をしないようにしてください。
Q5. 土地探しがうまくいかないときは?
条件を見直す方法があります。エリアを少し広げる、広さを見直す、建物の大きさを見直す、などです。優先順位は、家族で話し合って決めてください。
土地と会社選びを進めるチェックリスト
- ☐ 総予算を、土地と建物にざっくり分けた(家づくりの予算の考え方)
- ☐ エリアの候補を、2〜3つにしぼった
- ☐ 気になる土地について、用途地域・建ぺい率・容積率・接道を確認した
- ☐ ハザードマップを見た(ハザードマップの見方)
- ☐ その土地での、プランと総額を出してもらった
- ☐ 「土地+建物」の総額で、比べた
- ☐ 契約前の書類を、内容を確認してから決めた
土地の提案もあわせて複数社からもらう
一括請求サービスの中には、間取りプランや資金計画と一緒に、土地の提案もあわせて依頼できるものがあります。
土地探しと会社選びを同時に進める最初の一歩として使いやすい方法です。
まとめ
- 土地だけ先に買うと、間取りや予算が合わなくなることがある
- 土地探しと会社選びは並行して進める
- 「土地+建物」の総額で比べて判断する
次の一歩
- 総予算と、エリアの候補を決める
- 気になる土地が出たら、土地を買う前に確認したいことの項目を確認する
- 土地の探し方は、家を建てる土地の探し方5つを参考にする
- 建てられる家の条件は、建築条件付き土地も確認する
出典(2026年10月21日確認)
- 国土交通省 住宅局 市街地建築課「集団規定資料集」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001894190.pdf
- タウンライフ家づくり 公式サイト(2026年10月確認)https://www.town-life.jp/home/
- 国土交通省 都市局 都市計画課「開発許可制度について」(市街化調整区域の記述)https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001706582.pdf(2026年10月22日確認)
- 長野県「不動産取引時の重要事項説明における水害リスクに係る説明義務について」(令和2年8月28日施行の記述)https://www.pref.nagano.lg.jp/kenchiku/takkengyo/jusetsusuigai.html(2026年10月22日確認)
- 国土交通省 不動産業課 資料(重要事項説明〔35条書面〕を契約成立までに宅地建物取引士が書面で説明する旨の記述。賃貸向け資料だが、35条の概要として参照)https://www.mlit.go.jp/common/001299420.pdf(2026年10月22日確認)
- 国土交通省「集団規定資料集」の接道義務・容積率・用途地域数の記述は、2026年10月22日にも再確認しました。
土地の条件は、市区町村や地域によって異なります。契約前に、役所や不動産会社へ確認してください。


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