相続した土地・使っていない土地はどうする?土地活用の方法を比較

相続した土地・使っていない土地はどうする?土地活用の方法を比較 土地

結論:「売る・貸す・建てる」を比べてから決める。最初の一歩は複数社の提案集め

使っていない土地は、持っているだけで固定資産税や管理の手間がかかります。
かといって、すぐ売るのがいいのか、活用したほうがいいのかは、土地の場所や広さ、家族の事情によって変わります。

大事なのは、ひとつの会社の提案だけで決めないことです。

土地をどうするか、3つの選択肢

選択肢 向いているケース 気をつけたいこと
売る 使う予定がない、管理が負担 売ったら終わり。手取りは税金・費用を引いた額
貸す(土地のまま) 初期費用をかけたくない 収入は小さめになりやすい
建てて活用する 立地が良く、長く持つつもり 初期費用・借入・空室などのリスク

主な土地活用の方法

駐車場(月極・コインパーキング)

初期費用を抑えやすく、やめやすいのが特徴。一方で、収入は建物を建てる方法より小さくなりやすいです。

アパート・賃貸住宅

収入が大きくなる可能性がある一方、建築費の借入や空室のリスクがあります。

戸建て賃貸

アパートより規模が小さく、比較的始めやすい選択肢です。

太陽光発電

日当たりや広さの条件が合えば検討できる方法です。

高齢者施設・店舗など(事業用)

立地によっては、事業者に土地や建物を貸す方法もあります。

※初期費用や利回りは、立地・規模・建築費・借入条件で大きく変わり、公的な統一の目安はありません。具体的な数字は、複数社の収支プランで比べてください。

決める前に確認したいこと

  • 土地の場所・広さ・形(向いている活用方法が変わる)
  • 法律上建てられるもの(用途地域など。用途地域は、住居・商業・工業など土地の使い方の大枠を定める区分で、13種類あります)
  • 家族の考え(相続人が複数いる場合は特に)
  • 借入をしてもいいか、どのくらい手元資金を使えるか
  • 税金への影響(相続税・固定資産税など)は専門家に確認

相続した土地なら、先に確認したい「名義」と「期限」

相続した土地は、活用や売却の相談に入る前に、登記の名義を確認しておきたいところです。

法務省のQ&Aによると、相続登記は令和6年(2024年)4月1日から義務になりました。不動産を相続で取得したと知った日から3年以内に登記をする必要があり、正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になりえます。施行前に相続していて未登記の不動産も対象で、その場合の期限は令和9年(2027年)3月31日とされています。

遺産分割がまとまらず3年以内に登記できないときは、法務局に「相続人申告登記」を申し出ると、申し出た相続人は義務を履行したものとみなされます。ただし、売却や抵当権の設定をするときには、あらためて相続登記が必要です。

名義が整っていないと、売る・貸す・建てるのどれを選んでも手続きが進めにくくなります。手続きは司法書士や法務局に確認してください。

持っているだけでかかるお金と、手放す方法

固定資産税は、土地の状態で変わる

住宅が建っている土地には、固定資産税の軽減(住宅用地の特例)があります。大阪市の案内では、住宅1戸あたり200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は課税標準が価格の6分の1、それを超える部分(一般住宅用地)は3分の1とされています。

一方で、空き家について自治体から「勧告」を受けると、その土地は住宅用地の特例の対象から外れると説明されています。古い家が建ったままの土地は、「取り壊すと税額が変わる場合がある」「放置して勧告を受けると変わる場合がある」の両面があります。取り壊しや活用に動く前に、市区町村の固定資産税の窓口で、自分の土地の取り扱いを確認しましょう。

どうしても使わない土地:相続土地国庫帰属制度

法務省の案内では、相続土地国庫帰属制度は令和5年(2023年)4月27日に始まりました。相続または相続人への遺贈で土地を取得した人が、一定の要件を満たす場合に、土地を国に引き取ってもらえる制度です。

  • 審査手数料は土地1筆につき14,000円で、却下・不承認になっても返還されません
  • 承認を受けた場合は、国が管理する10年分の標準的な費用を考慮した額の負担金を納めます
  • 建物がある土地、担保権などが設定された土地、土壌汚染のある土地、境界が不明確な土地などは申請できません
  • 一定の勾配・高さの崖があり管理に過分な費用がかかる土地などは、承認されません

誰でも手放せる制度ではないので、「売れない土地の最後の手段」として、要件を法務局で確認する位置づけになります。

古い空き家つきの土地を売るなら:3,000万円特別控除

国税庁によると、相続した被相続人の居住用家屋(空き家)やその敷地を売ったとき、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。令和6年1月1日以後の譲渡で、相続人が3人以上の場合は2,000万円までです。

主な要件は次のとおりです。

  • 売却は令和9年12月31日までで、かつ相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
  • 昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、相続開始の直前に被相続人以外の人が住んでいなかったこと
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 相続時から売却時まで、事業用・貸付用・居住用に使われていないこと

要件が細かいため、売却の契約前に税務署や税理士へ確認してください。この特例は売る場合の話で、貸す・建てる場合には使えません。

ケース別:こんな人はここから確認

こんな状況 まず確認したいこと
相続したが、まだ登記していない 相続登記の期限と、相続人申告登記が使えるか(法務局・司法書士)
古い家が建ったまま、誰も住んでいない 固定資産税の扱い、空き家の特例の対象か、自治体の空き家相談窓口
更地で、駅や住宅地から近い 用途地域などで建てられるもの。賃貸や売却の需要は複数社に聞く
道路に接していない土地 接道(接道義務とは?)や境界。活用の選択肢が限られることもある
自分たちが将来そこに家を建てる可能性がある 実家の土地に家を建てるときの注意点、建て替えという選択肢

よくある質問

Q. 活用か売却か、決めるまで何年くらい考えてよいですか?
A. 決まった年数はありません。ただ、相続登記の期限(3年以内)や、空き家の3,000万円特別控除の売却期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)のように、時間に区切りのある制度があります。相続した時期から逆算して確認しておくと安心です。

Q. アパートを建てれば、固定資産税や相続税は安くなりますか?
A. 税額は土地や建物の状況、家族構成で変わります。「必ず安くなる」とは言えないため、提案を受けたら税理士などの専門家に試算を依頼してください。相続税の小規模宅地等の特例のように、利用状況や保有・事業の継続などの要件が細かい制度もあります。

活用を決める前のチェックリスト

  • ☐ 土地の登記名義は、相続登記まで済んでいるか
  • ☐ 相続人全員の考え(売る・持つ・活用する)を確認したか
  • ☐ 固定資産税の納税通知書で、毎年の税額を確認したか
  • ☐ 用途地域や接道など、建てられるものを市区町村で確認したか
  • ☐ 収入の見込みだけでなく、空室・修繕・借入返済も含めた収支を見たか
  • ☐ 少なくとも2社以上から、違う方法の提案をもらったか
  • ☐ 税金の影響を、税理士など専門家に確認したか
  • ☐ 売却や国庫帰属など、期限のある制度の対象かどうか確認したか

比べるなら「複数社の活用プラン」を同時に

土地活用は、会社によって得意な方法が違います。
アパートが得意な会社はアパートを、駐車場が得意な会社は駐車場を提案しがちです。

だからこそ、いくつかの会社から、違う方法の提案をまとめてもらって比べるのがいちばん失敗しにくい方法です。

※チャット形式で土地の情報などを入力し、2社以上を選んで依頼します。依頼した会社から連絡が来ることがあります。

まとめ

  • 使っていない土地は、持っているだけでもお金がかかる
  • 売る・貸す・建てるを、土地の条件と家族の事情で比べる
  • 1社の提案で決めず、複数社のプランを並べて判断する

次の一歩

  1. 登記の名義と、固定資産税の納税通知書を手元にそろえる
  2. 相続人がいる場合は、売る・持つ・活用するの大枠を話し合う
  3. 進め方の全体像は土地活用は何から始める?で確認する
  4. 空き家が建っている場合は空き家をどうする?も参考にする
  5. 土地の相場の見方は土地の値段の調べ方で整理している

出典(2026年10月21日確認)

以下は 2026年10月22日確認です。

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