住宅会社の資料に「断熱等級6」「UA値0.46」といった数字が並んでいると、何を見ればよいのか迷います。数字が大きい(小さい)ほどよいのか、自分の地域ではどの数字が目安になるのか。
この記事では、国土交通省の資料に載っている断熱等性能等級と、UA値の基準値をもとに、見方を整理します。
結論:等級は「大きいほど」、UA値は「小さいほど」断熱性能の水準が高い
断熱等性能等級は、等級の数字が大きいほど、熱損失を減らすための対策の水準が高い、という並びです。一方、UA値(外皮平均熱貫流率)は、国土交通省の資料で次のように説明されています。
住戸内外の温度差1度当たりの総熱損失量(換気による熱損失量を除く)を外皮の面積で除した数値
熱の逃げやすさを表す数字なので、等級が上がるにつれて基準のUA値は小さくなっています。つまり、UA値は小さいほど、熱が逃げにくい家という読み方になります(資料の基準値が、等級が上がるほど小さくなっていることから読み取れます)。
ただし、等級やUA値の数字だけで、住み心地や光熱費が決まるわけではありません。ここでは、数字の意味と読み方に絞って説明します。
断熱等性能等級の等級4〜7
資料では、各等級は次のように位置づけられています。
| 等級 | 位置づけ | 対象 |
|---|---|---|
| 等級7 | 熱損失等のより著しい削減のための対策が講じられている | 一戸建て住宅のみ(8地域は設定なし) |
| 等級6 | 熱損失等の著しい削減のための対策が講じられている | 一戸建て住宅のみ |
| 等級5 | 熱損失等のより大きな削減のための対策が講じられている | 一戸建て住宅・共同住宅等 |
| 等級4 | 熱損失等の大きな削減のための対策が講じられている。建築物エネルギー消費性能基準に相当する程度 | — |
等級5は、ZEH水準の等級として位置づけられたものです。等級6・7は、ZEH水準を上回る等級として、戸建住宅に位置づけられています。
等級5は令和3年12月1日公布・令和4年4月1日施行、等級6・7は令和4年3月25日公布・令和4年10月1日施行です。
地域区分ごとのUA値の基準
UA値の基準は、全国一律ではなく、地域区分(1〜8地域)ごとに定められています。単位はW/(㎡·K)です。
| 等級 | 1地域 | 2地域 | 3地域 | 4地域 | 5地域 | 6地域 | 7地域 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 等級7(戸建) | 0.20 | 0.20 | 0.20 | 0.23 | 0.26 | 0.26 | 0.26 |
| 等級6(戸建) | 0.28 | 0.28 | 0.28 | 0.34 | 0.46 | 0.46 | 0.46 |
| 等級5 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 |
| 等級4 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 |
資料の表では、8地域にはUA値の基準が示されていません。8地域の扱いは、会社に確認してください。
建てる場所が何地域にあたるのかは、この記事では取り上げていません。住宅会社に、「この土地は何地域区分か」を聞いてください。同じ等級でも、地域によってUA値の基準が違うため、他の地域の家の数字と単純には比べられません。
出典:国土交通省 住宅性能表示制度の資料(評価方法基準)
「UA値」の数字を読むときの注意
- 地域区分が前提:「UA値0.6」という数字が、あなたの地域でどの等級にあたるかは、上の表のように地域によって変わります。
- 等級と実際の数値は別の確認が必要:「等級5相当」という説明と、評価書で確認された等級5は別です。何を根拠にした数字かを聞きましょう。
- UA値以外の指標もある:資料には、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC)の基準も、等級5〜7などで定められています。UA値だけでなく、日射の入り方に関する基準があることも知っておくと、会社の説明が理解しやすくなります。
- 換気による熱損失は含まない:UA値は、換気による熱損失量を除いた数値です。
等級を上げると体感はどう変わる?
等級が上がると、基準としては熱損失を減らす対策の水準が上がります。ただし、体感や光熱費の差は、間取り、窓の位置や大きさ、暮らし方、設備、住む地域によって変わります。今回確認した国土交通省の資料には、体感や光熱費の差を示す記載がなかったため、具体的な効果や金額はここでは書きません。会社に「この仕様だと、私たちの暮らし方でどう変わりそうか」を、根拠を示してもらいながら聞いてみてください。
契約前に確認したい5つのこと
- 提案の仕様は、断熱等性能等級で何等級か(評価書付きか、「相当」か)
- 建てる土地は何地域区分で、提案のUA値はいくつか(算出の根拠の書面はあるか)
- 等級を上げる場合の追加費用は、見積りのどこに入っているか
- 窓や断熱材など、どの部分の仕様で等級が決まっているか
- 補助金や減税の対象になる条件を、会社は把握しているか(最新の条件は制度の窓口でも確認。補助金・減税の記事も参照)
予算と会社選びにどう生かすか
性能を上げるほど費用が増えることもあるため、どこまで求めるかは予算とのバランスで考えます。予算全体の考え方は予算の決め方、会社の比べ方は住宅会社の選び方を参考にしてください。複数社に同じ質問(上の5つ)をして、回答を横並びで比べると違いが見えます。
まとめ
- 断熱等級は大きいほど、UA値は小さいほど、断熱性能の水準が高い
- UA値の基準は地域区分ごとに違う。まず、建てる土地が何地域かを確認する
- 「相当」か評価書付きか、UA値の根拠は何かを書面で確認する
- 体感や光熱費の差は、数字だけでは決まらない。根拠を示してもらいながら相談する
次の一歩
建築予定地の地域区分と、候補の住宅会社が提案する断熱等級・UA値を、一覧表にして並べてみましょう。
出典(確認日 2026-10-21)
- 国土交通省「住宅性能表示制度」断熱等性能等級(等級4〜7、UA値・ηACの基準、公布・施行日)の資料(文書内に題名・発行日の記載なし。日本住宅性能表示基準・評価方法基準の内容を整理した国土交通省掲載資料) https://www.mlit.go.jp/common/001585664.pdf
※制度や基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省や住宅会社でご確認ください。


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