ハザードマップで土地を選ぶ|契約前に確認したい災害リスク

ハザードマップで土地を選ぶ|契約前に確認したい災害リスク 土地

気に入った土地が、相場より少し安い。その理由が「災害のリスク」だった、という話は珍しくありません。契約前にできる、無料の確認方法をまとめます。

結論:契約前にハザードマップで「その場所のリスク」を見る

国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、全国の市町村が作成したハザードマップを、まとめて検索・閲覧できます。

資料に挙げられているハザードマップの種類は、洪水、内水、高潮、津波、土砂災害、火山、地震防災マップです。

出典:国土交通省 ハザードマップポータルサイト(概要資料)

確認したいリスク

種類 見る目的
洪水・内水 川の増水や、下水があふれる浸水のおそれ
高潮・津波 海に近い土地の浸水のおそれ
土砂災害 崖や斜面の近くの土地の危険
地震 揺れやすさ、液状化などの目安

※表示名や凡例は、お住まいの市町村のマップで確認してください。

見るときの3つのコツ

  1. 候補地の住所で検索し、複数の種類のマップを重ねて見る
  2. 色がついていたら、深さや区域の凡例を確認する
  3. 市町村の窓口や不動産会社に、過去の被害の有無を聞く(聞いた内容は、書面でも残しておきましょう)

ハザードマップは、避難や防災意識を高めるための資料です。リスクがある土地でも、対策を取れば建てられることがあります。リスクの有無だけで決めず、住宅会社に対策と費用を相談してください。

ハザードマップだけでは足りないこと

  • 土地の強さは、実際の地盤調査で確認する(地盤調査と地盤改良)
  • 不動産会社が行う重要事項の説明も、確認する(説明内容は物件ごとに異なります)

2つのサイトの使い分け

国土交通省のハザードマップポータルサイトには、性格の違う2つの入口があります(ハザードマップポータルサイト「よくある質問」、確認日 2026-10-21)。

重ねるハザードマップ わがまちハザードマップ
内容 国や都道府県などが作った災害リスク情報を、地図に重ねて表示 市町村が作ったハザードマップへのリンクを掲載
見られる情報 洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域、津波、高潮、ため池決壊、液状化、大規模盛土造成地など 都道府県・市区町村・マップの種類を選んで、各市町村のマップを閲覧
使いどころ 候補地の周りを、複数のリスクでざっと確認する 避難所や詳しい凡例を、市町村のマップで確認する

サイトには、次の注意も書かれています。

  • 表示がない場所でも、データが未整備なだけの場合がある。表示がないことは、安全を意味しない
  • 浸水の深さは、各地点の地盤高からの深さで、段階(ランク)で表示される。具体的な数値は、河川管理者の資料などで確認する
  • 土砂災害警戒区域の外でも、土石流やがけ崩れが起こる可能性がある
  • 住所検索には誤差があり、周辺の複数地点も確認することが勧められている
  • 重ねるハザードマップは、水防法に基づく水害ハザードマップには該当しない

不動産会社は、水害リスクを説明することになっている

宅地建物取引業者は、重要事項説明で、取引の相手方に、対象物件が水害ハザードマップ上のどこにあるかを説明することになっています。令和2年8月28日に施行されました(宮城県の解説、確認日 2026-10-21)。洪水、雨水出水(内水)、高潮のそれぞれについて説明する仕組みです。

ポイントは次のとおりです。

  • 説明に使うのは、水防法に基づく、市町村が作ったハザードマップ
  • ハザードマップに物件が載っていない場合も、「リスクがない」と誤解しないよう配慮が求められている
  • ハザードマップが掲載されていない市町村では、市町村の水防担当部局に確認することになっている

ただし、この説明は契約前の段階で行われます。気に入った土地が見つかった段階で、自分でも先に調べておくと、判断に余裕が持てます。

ケース別の考え方

  • 川や海の近くの土地を考えている人:洪水・高潮・津波のマップを確認します。浸水が想定される場合は、想定される深さと、建物の設計(高さ・階数・設備の位置など)で取れる対策を、住宅会社に相談します。
  • 崖や斜面の近くの土地を考えている人:土砂災害警戒区域などの指定の有無を確認します。区域外でも、土石流やがけ崩れの可能性がある、とサイトには書かれています。
  • 平らな土地を選ぼうとしている人:液状化の情報も、重ねるハザードマップで見られます。地盤調査とあわせて考えます(地盤調査と地盤改良)。
  • 周辺の土地が盛土で造成された場所の人:大規模盛土造成地の表示があれば、住宅会社と不動産会社にその情報を伝えて、調査の方法を相談します。
  • すでに土地を持っている人(相続した土地など):同じ手順で確認し、建物の設計や保険の検討に生かします。

保険との関係も、早めに確認する

日本損害保険協会によると、火災保険(すまいの保険)には、水災を補償する商品と補償しない商品があり、条件は商品によって異なります。洪水などによる損害が、損害額が一定割合以上に達した場合に補償されるものや、床上浸水を対象とするものがあります。一方、地震・噴火・津波による損害は、火災保険では補償されず、地震保険で補償されるとされています(確認日 2026-10-21)。

土地の浸水リスクが高い場合は、水災の補償の条件を、契約前に保険会社や代理店に確認しましょう。火災保険の考え方は、火災保険・地震保険の選び方にまとめています。

よくある質問(Q&A)

Q. 色がついていない場所は、安全ですか?
A. 安全とは言えません。データが未整備なだけの場合があります。市町村のマップや現地の様子もあわせて確認してください。

Q. 浸水想定区域の土地は、買わないほうがよいですか?
A. リスクの有無だけで決めず、住宅会社に対策と費用を相談しましょう。リスクがある土地でも、対策を取れば建てられることがあります。

Q. 複数のマップで結果が違うときは?
A. 作成した機関や表示方法、凡例が異なるためです。どのマップが水防法に基づく市町村のマップかを確認し、最新のものを優先しましょう。分からないときは、市町村の担当窓口に聞いてください。

Q. 不動産会社の説明があれば、自分で調べなくてもよいですか?
A. 説明は契約前に受けられますが、自分でも事前に調べておくと、比較の材料が増えます。説明の内容は、書面でも残してもらいましょう。

Q. 土地を選ぶときの全体の流れは?
A. 探し方は土地の探し方5つ、買う前の確認は土地購入前に確認することを参考にしてください。

契約前のチェックリスト

  • 洪水・土砂災害・津波などのマップで、候補地を確認した
  • 色や区域がついていたら、住宅会社に対策と費用を聞いた
  • 地盤調査の時期と、改良費用の扱いを確認した
  • 保険(火災保険・水災補償など)の条件を確認する予定がある(水災を補償するかどうかは商品によって異なります。詳しくは火災保険・地震保険の選び方)

土地購入前の全体の確認事項は土地購入前に確認することにまとめています。

まとめ

  • ハザードマップは、契約前にできる無料のリスク確認
  • 複数の種類を見て、必要なら対策費も予算に入れる
  • 実際の強さは、地盤調査で確認する

次の一歩

候補の土地があれば、住所で一度検索し、結果を住宅会社への相談メモに加えてください。

  1. 重ねるハザードマップで、洪水・土砂災害・津波・液状化などを確認する
  2. 市町村のハザードマップ(わがまちハザードマップ)で、避難所と凡例を確認する
  3. 不動産会社の重要事項説明の内容を、書面で受け取る
  4. 住宅会社に、対策と費用の見積りを相談する
  5. 保険会社や代理店に、水災の補償の条件を確認する

出典

確認日はすべて 2026-10-21 です。

制度やマップの内容は変わることがあります。最新の情報は、各公式サイトと市町村で確認してください。

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