結論:「総額」「生活動線」「収納」「将来」「提案の理由」の5つで比べる
複数社から間取りプランが届くと、どれも良く見えたり、違いが分からなかったりします。
比べるときは、次の5つのポイントを順番に見ると整理しやすくなります。
比べる前に:条件がそろっているかを確認する
5つのポイントを見る前に、各社のプランの「前提」がそろっているかを確かめます。前提が違うと、良し悪しではなく条件の違いを比べることになってしまいます。
- 延床面積:同じ広さで比べているか(広さの考え方は30坪・35坪でどんな家が建つ?)
- 階数:平屋と2階建てが混ざっていないか(平屋と2階建て、どっちがいい?)
- 伝えた要望:各社に同じ要望を伝えたか。電話や面談で、片方の会社にだけ追加の要望を伝えていないか
- 土地の条件:同じ土地(または同じ広さ・向きの想定)で描かれているか
そろっていない場合は、「同じ延床面積で描くとどうなりますか?」と聞き直すと比べやすくなります。
ポイント1:総額と、含まれている範囲
まず、プランと一緒に届いた資金計画や見積もりの総額を確認します。
同時に、何が含まれていて、何が含まれていないかをチェックします。
→ 詳しくは見積もりに入っていない費用とは?
間取りが良くても、予算を大きく超えていては実現できません。予算を超えている場合は、どこを変えれば予算に収まるかを聞いてみましょう(注文住宅のコストダウン)。
ポイント2:生活動線
図面の上で、家族の1日の動きをなぞってみます。
- 朝:起きる→洗面→着替え→朝食→出かける
- 家事:洗う→干す→たたむ→しまう
- 帰宅:玄関→手洗い→リビング
移動が長い・行き止まりが多い間取りは、毎日の負担になります。
あわせて、次の動きもなぞってみると、違いが見えやすくなります。
- 来客のとき:お客さんが、家族の生活スペース(洗面所や寝室)を通らずにリビングやトイレに行けるか
- ゴミ出し:キッチンから外まで、どこを通るか
- 朝の重なり:家族が同じ時間に洗面所やトイレを使うとき、混み合わないか
ポイント3:収納の場所と量
量だけでなく、「使う場所の近くにあるか」を見ます。玄関、キッチン、洗面所の収納は特に大事です。
収納の考え方は、収納は多ければいい?で詳しく紹介しています。図面に収納の奥行きが書かれていない場合は、何を入れる想定なのかを聞いておきましょう。
ポイント4:将来の変化への対応
- 子どもの成長(個室が必要になる時期、独立したあと)
- 在宅ワーク
- 年をとってからの暮らし(段差、寝室の位置)
年をとってからの暮らしやすさは、国の住宅性能表示制度にも「高齢者等への配慮」という分野があります(評価を受けるかどうかを選べる項目です)。プランの段階で、段差や寝室の位置について「将来どう使う想定ですか?」と聞いてみると、各社の考え方が分かります。
子育て世帯の間取りの考え方は、子育て世帯の間取りの考え方でまとめています。
ポイント5:提案の理由
同じ要望でも、会社によって答え方が違います。
「なぜこの間取りにしたのか」が説明されているか、要望にない工夫があるかを見ると、その会社の提案力が分かります。
5つのポイント以外に、見落としやすいところ
- 窓と家具の位置:窓の前にテレビや棚を置く予定がないか。家具を置く壁が足りているか
- 換気:国土交通省の案内では、シックハウス対策として、居室のある建物には原則として機械換気設備の設置が求められています。プランのどこに換気設備や給気口があるか、掃除や点検がしやすい位置かを聞いておきましょう
- 外まわり:駐車スペース、自転車置き場、玄関までのアプローチがプランに入っているか(外構を後回しにして後悔する理由)
- 隣の家との関係:窓の向きが、隣の家の窓と向き合っていないか
住んでから気づきやすい点は、間取りで後悔しやすいポイント10選も参考にしてください。
比べるときのコツ
- 5つのポイントで、各社を○△×で評価する
- 良いところは、ほかの会社への要望として伝えてもいい(「A社のこの収納の考え方を取り入れたい」など)
- 迷ったら、次の打ち合わせで質問したいことをメモしておく
評価は、次のような表にまとめると比べやすくなります。
| ポイント | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 総額と含まれる範囲 | |||
| 生活動線 | |||
| 収納 | |||
| 将来への対応 | |||
| 提案の理由 | |||
| 次に聞きたいこと |
ケース別:とくに見たいポイント
- 小さな子どもがいる人:キッチンから子どもの様子が見えるか、帰宅してすぐ手を洗えるか(ポイント2・4)
- 共働きの人:洗濯の「洗う→干す→しまう」が短くまとまっているか(ポイント2)
- 在宅ワークをする人:仕事の場所の音や、オンライン会議の背景になる位置(ポイント4)
- 親との同居を考えている人:寝室とトイレの距離、段差の有無(ポイント4)
- 予算が厳しい人:総額を下げるために、どの部分を変えればよいかの提案があるか(ポイント1・5)
まだプランをもらっていない人は
よくある質問
Q. 各社のプランが似ていて、違いが分かりません。
A. 似ているのは、要望がはっきり伝わっているからかもしれません。その場合は、ポイント1の総額と含まれる範囲、ポイント5の提案の理由で比べると違いが出やすくなります。
Q. A社の間取りをB社に見せて、同じように建ててもらってもいいですか?
A. 間取りの「考え方」を要望として伝えるのは、よくある進め方です。一方で、図面そのものをほかの会社に渡すことは、トラブルのもとになる場合があります。扱いが気になるときは、各社に確認しましょう。
Q. プランが気に入らなかった場合、修正をお願いしてもいいですか?
A. お願いしてかまいません。ただ、何回まで無料で直してもらえるかは会社によって違います。どこが気に入らないのかを具体的に伝えると、修正の方向がずれにくくなります。
Q. 図面だけでは、広さの感覚がつかめません。
A. 今の住まいの部屋の広さと比べてみる方法があります。展示場や見学会で、同じくらいの広さの部屋を見るのも参考になります(住宅展示場に行く前にやるべき3つのこと)。
プランを比べるチェックリスト
- ☐ 延床面積・階数・要望・土地の条件がそろっているか
- ☐ 総額と、含まれていないものを確認したか
- ☐ 朝・家事・帰宅・来客の動きを、図面でなぞったか
- ☐ 収納が、使う場所の近くにあるか
- ☐ 子どもの成長や、年をとってからの使い方を聞いたか
- ☐ 換気設備や給気口の位置を確認したか
- ☐ 駐車スペースや外まわりがプランに入っているか
- ☐ 「なぜこの間取りにしたのか」の説明があったか
まとめ
- 総額・動線・収納・将来・提案の理由の5つで比べる
- 図面の上で1日の動きをなぞってみる
- 良いところは、ほかの会社への要望にも使える
- 比べる前に、延床面積や要望などの前提がそろっているかを確かめる
- 窓と家具、換気、外まわりなど、見落としやすいところも確認する
次の一歩
- 届いたプランの前提(延床面積・階数・要望)をそろえる
- 上の表で、5つのポイントを○△×で評価する
- 「次に聞きたいこと」をまとめて、打ち合わせする会社を絞る(住宅会社は何社比較するのがちょうどいい?)
出典(2026年10月21日確認)
- 国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(令和7年12月1日施行版)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001970908.pdf
- 国土交通省「建築基準法に基づくシックハウス対策について」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000043.html


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