結論:「総額・提案・担当者」を中心に、同じ条件で比べる
住宅会社は、ハウスメーカー、工務店、設計事務所など種類も数も多く、どこから比べればいいか迷うものです。
比べるときは、次の7つのポイントを押さえておくと判断しやすくなります。
みんなはどうやって住宅会社を探している?
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査」(2023年4月〜2024年3月に住み替えなどをした世帯が対象)では、注文住宅を建てた世帯が施工者を探した方法(複数回答)は、住宅展示場が50.8%、インターネットが46.6%、知人等の紹介が25.1%でした。
展示場とインターネットを併用している人が多いことがうかがえます。どの方法で見つけた会社でも、比べるものさしは同じです。以下の7つで並べてみましょう。
ポイント1:総額(本体価格ではなく)
建物の本体価格だけでなく、付帯工事や諸費用、外構まで含めた総額で比べます。
→ 詳しくは見積もりに入っていない費用とは?
坪単価だけで「安い・高い」を判断しにくい理由は、坪単価のカラクリで解説しています。
ポイント2:見積もりに含まれている範囲
同じ「総額」でも、含まれている内容が違えば比べられません。照明・カーテン・外構・地盤改良などが入っているかを確認します。
地盤改良は、地盤調査の結果が出るまで金額が決まらないことがあります。見積もりに「別途」「概算」と書かれている項目は、いつ、どうやって金額が決まるのかを聞いておきましょう(地盤調査と地盤改良)。
ポイント3:間取りの提案力
自分たちの暮らし方(家事、子育て、在宅ワークなど)をくんだ提案になっているかを見ます。
要望をそのまま図面にするだけでなく、「こうするともっと暮らしやすい」という提案があるかがポイントです。
届いたプランの見比べ方は、間取りプランの比べ方でまとめています。
ポイント4:性能と標準仕様
断熱性・耐震性などの性能や、標準で付いている設備を確認します。
「標準」と「オプション」の境目を聞いておくと、あとからの追加費用を防げます。
性能を比べるときは、国の「住宅性能表示制度」の等級が共通のものさしになります。たとえば耐震等級は1〜3(数字が大きいほど高い)、断熱等性能等級は省エネ性能の高い等級5〜7が追加されています。「この家は何等級ですか?」と聞くと、会社ごとに比べやすくなります。
住宅性能表示制度で分かること
国土交通省のガイドでは、住宅性能表示制度は、構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理・更新への配慮、温熱環境・エネルギー消費量、空気環境、光・視環境、音環境、高齢者等への配慮、防犯の10分野で性能を表すとされています。このうち必須は4分野で、残りは評価を受けるかどうかを選べます。
評価は、国土交通大臣が登録した評価機関が行います。ガイドでは、次の点も説明されています。
- 設計の段階の「設計住宅性能評価書」と、施工・完成の段階の検査を経た「建設住宅性能評価書」がある
- 評価書を請負契約書に添付すると、原則として、書かれた性能で契約したものとみなされる
- 建設住宅性能評価書が交付された住宅は、指定住宅紛争処理機関(弁護士会)に紛争処理を申請できる(手数料は1件1万円)
「性能評価を受けられますか?」「費用はいくらですか?」と各社に聞くと、性能への考え方の違いも見えてきます。等級の読み方は、断熱等級とUA値の見方と耐震等級1・2・3の違いが参考になります。
ポイント5:保証とアフターサービス
保証の期間、定期点検の内容、何かあったときの連絡先と対応を確認します。
法律で決まっている「10年」と、会社ごとの保証は別物
新築住宅については、住宅品質確保法により、建設業者などが10年間の瑕疵担保責任を負います。国土交通省のQ&Aでは、その対象は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」とされています。
さらに、新築住宅を引き渡す建設業者は、この責任を果たせるよう、「保険加入」または「保証金の供託」のどちらかの備え(資力確保措置)をし、その内容を発注者に説明して書面を渡すことになっています。
会社が独自に付ける延長保証や設備の保証は、これとは別のものです。比べるときは、次を分けて確認しましょう。
- 法律上の10年の備えは、保険か供託か
- 会社独自の保証の期間と、延長の条件(有料の点検やメンテナンス工事が条件になっていないか)
- 定期点検の時期と内容
詳しくは住宅の保証と瑕疵担保で整理しています。
ポイント6:担当者との相性
家づくりは、契約から引き渡しまで長い付き合いになります。
- 質問への答えが分かりやすいか
- できないことを、できないとはっきり言ってくれるか
- 契約を急かさないか
見分け方は、営業担当、信頼できる人の見分け方でくわしく紹介しています。
ポイント7:会社の実績と施工エリア
建てたいエリアで実績があるか、施工エリアに入っているかを確認します。
あわせて、建設業の許可を受けているかどうかは、国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で調べられます。会社名で検索し、登録されている許可の内容を見ておくと安心です。
ケース別:とくに重視したいポイント
- ハウスメーカーと工務店で迷っている人:会社の規模より、ポイント1・2(総額と含まれる範囲)と、ポイント5(保証の中身)をそろえて比べる(ハウスメーカーと工務店の違い、地元の工務店の探し方と比べ方)
- 土地がまだない人:ポイント7の施工エリアに加え、土地探しを手伝ってくれるかを確認する(土地探しと住宅会社選びはどっちが先?)
- 性能を重視したい人:ポイント4の等級を、各社に同じ聞き方で確認する。口頭ではなく、書面や図面で示してもらう
比べ方のコツ:表にして並べる
| 比べること | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 総額 | |||
| 含まれていないもの | |||
| 間取りの良いところ | |||
| 性能・標準仕様 | |||
| 保証・点検 | |||
| 担当者の印象 |
※この表は、ブログ内でダウンロードできるチェックシートにしても良い
比べる材料は「同じ条件」でそろえる
条件がバラバラだと、比べても違いの理由が分かりません。
複数社に同じ条件で依頼できるサービスを使うと、比べる材料が一度にそろいます。
何社くらい比べるのがよいかは、住宅会社は何社比較するのがちょうどいい?を参考にしてください。
よくある質問
Q. 7つのポイントのうち、どれを優先すればいいですか?
A. 家族によって違いますが、まずは総額と含まれる範囲(ポイント1・2)をそろえるのがおすすめです。ここがそろっていないと、ほかのポイントを比べても、違いが金額のせいなのか中身のせいなのか分かりにくくなります。
Q. 大手のほうが安心ですか?
A. 会社の規模だけでは判断できません。どの会社でも、新築住宅には法律上の10年の責任と、その備え(保険か供託)があります。そのうえで、独自の保証や点検の内容、担当者の対応を比べましょう。
Q. 比べている途中で、契約を勧められたらどうすればいいですか?
A. 比べ終わってから決めたいことを、はっきり伝えて大丈夫です。急ぐ理由がキャンペーンの期限なら、その条件を書面でもらって検討しましょう(「今月中なら値引き」は本当にお得?)。
契約前のチェックリスト
- ☐ 総額に、付帯工事・諸費用・外構・地盤改良が含まれているか
- ☐ 「別途」「概算」の項目と、金額が決まる時期
- ☐ 耐震等級・断熱等性能等級を、書面で確認したか
- ☐ 住宅性能評価を受けるか、受ける場合の費用
- ☐ 10年の瑕疵担保の備え(保険か供託か)の説明と書面を受け取ったか
- ☐ 会社独自の保証と、延長の条件
- ☐ 建設業の許可を、検索システムで確認したか
まとめ
- 総額と、含まれている範囲をそろえて比べる
- 間取りの提案力、性能、保証、担当者も見る
- 同じ条件の材料をそろえ、表にして並べると判断しやすい
- 性能は住宅性能表示制度の等級、保証は「法律上の10年」と「会社独自の保証」に分けて比べる
次の一歩
- 候補の会社を表に書き出し、7つのポイントの空欄を埋める
- 空欄になった項目を、次の打ち合わせで質問する
- 建設業の許可を、国土交通省の検索システムで確認する
- 家づくり全体の流れは注文住宅は何から始める?で確認する
出典(2026年10月21日確認)
- 国土交通省「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」(令和7年12月1日施行版)https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001970908.pdf
- 国土交通省住宅局「令和6年度 住宅市場動向調査 報告書」(令和7年6月)https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf (確認日 2026-10-21)
- 国土交通省「住宅瑕疵担保履行法 Q&A(2.新築住宅)」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/rikouhou/qanda2.html (確認日 2026-10-21)
- 国土交通省「新築住宅を引き渡す建設業者に求められる対応」https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_tk1_000018.html (確認日 2026-10-21)
- 国土交通省 九州地方整備局「建設業許可」(建設業者・宅建業者等企業情報検索システムの案内)https://www.qsr.mlit.go.jp/n-park/construction/index_02.html (確認日 2026-10-21)
- 国土交通省「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/ (上記ページで所在を確認、確認日 2026-10-21)


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